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病中奮闘

2010.03.08 Monday

一旦部屋に戻り、仕事をしました。
夜の営業時間になるのを待って西武柳沢「くぼ田」へ。

先日「七彩」のあとに行ったときは臨時休業でしたが、今日は大丈夫。
オープン直後。最初の客です。

ご主人、マスクをしておいでだった。
時折発する、小さな咳。
そうか、風邪を召されて休まれたんですね。

何度か書いていることですが、
「カウンターのみ、飾り気の少ない小さな店舗、年配のご主人がひとりきり、
 シンプルなメニュー構成、和風ダシの効いた“中華そば”的ラーメン」
…と揃うと、嫌が応にも「めん家」さんを思い出してしまいます。

風邪をひいたご主人を見ると、
ご病気と闘い続けた「めん家」のご主人がオーバーラップします。
そういうラーメン屋さん、好きなんですよね…。
「人を雇っていない」ということ1つとっても、
そこにその方の、職人としての思いが垣間見えてきたりして。

こちらのご主人はとても無口で、淡々と作業していますが、
よく見ていると、3段階の湯切りをされています。
じろじろ眺めるわけではなく、音を聴いていてもわかるんですね。

くぼ田
ラーメン700円

和風ダシがしっかり効いてますね〜。
やっぱりラーメンは極力シンプルなのに限る。
麺とスープを食べることに没頭できるから。

麺、また少しだけ細くなったかな…?
初めて食べたときには、やや太めに感じた麺に違和感があって、
「もうちょっとだけ細い方が好みかな」なんて感じたものですが、
こうしてみるとあの麺が懐かしく、また食べてみたくなります。
ないものねだりですね。

味の感想というのは「もっと○○な方が…」という表現が往々にして
多いのですが、違和感がまったくなくなったものを口にして
感動できるかというと、きっとそうではないはず。

バラのチャーシューについても同じ。
最初は「これで肩ロースだったら…」と思ったりしたけど、
今はこれがいいんだろうと思えます。

柚子は3回にわけ、少しずつ齧って。
これがまたよく合っていいんですね〜。

小さくなった柚子を口に入れ、スープを飲み干す。

くぼ田
汁  完 。

そして「くぼ田龍」をGET。ふう〜。美味しかった…。
ご主人さま、早く風邪を治してくださいね。

さて、お次は方南町へ。

posted by: 青木 健 | | 11:51 | comments(0) | trackbacks(0) |

特製是非

2010.03.08 Monday

成増という地名、駅名を初めて知ったのは、「とんねるず」の「一気!」です。
それからおよそ四半世紀が過ぎましたが、それ以外に成増についての知識は、
ひとつしかありません。

「道頓堀」というラーメン店がある、ということのみ。

ちょうどお客さんが入るところでした。
その方に続いて食券を買おうと思ったら…
釣り銭口に10円玉が残っていたので、その方を呼び止めて渡します。
するとホールを仕切る店主の奥様が、

「あら優しい〜」

階段の上へ向かって列びます。
そこに貼ってある紙には、「かべがみを はがさないで」とあります。
誰かがイタズラしたらしい「なるべく」という文字に線が引かれ、
「ぜったい!」と書き直してありました。
周囲の壁紙を見れば、ちまちまと破られた箇所が無数にあります。

過去に学校の用務員をしていた女性(現在は劇団の主宰及び脚本家)に
話を伺ったことがありますが、トイレをぴかぴかにしたときに限って、
わざと汚す人間がいるのだそうです。
何故そんな不必要なバランス感覚があるのかわかりませんね。


席につき、水を注ごうとすると………ガラッ。氷の音。
それが聞こえたのでしょう。
後ろを向いて作業中の奥様がそのままの姿勢で、
「あ、お水ないですね〜」と声をかけ、すぐに新しい水差しが用意されました。

これとまったく同じこと、以前にもありました。
気楽そうに見えて、全方位に気を配っているのですね。


話は変わりますが、ラーメン店には「特製」という概念があります。
中野「青葉」が、その味だけでなく普及させたもので、
このシステムを取り入れた店もかなり多い。

その店の一番シンプルなメニューに、メンマやチャーシュー、味玉などを
乗せたもの。いわゆる「全部入り」なのですが、商品特質は青葉以前のものと
まるで違います。もっというと、取り入れた青葉以外の店とも異なる。

その、最大にして最高の仕掛けが、
「メニューには普通のものと特製しかなく、個々のトッピングがない」こと。
普通の「中華そば」を敢えてメニューに入れておきながら
常に特製をメイン商品として世に出し、認知、訴求させることに成功、
客のほとんどが「どうせだから…」と特製を注文する。
つまり実に自然に、ラーメン単価を「中華そば650円」ではなく
「特製中華そば850円」に設定できている。
さらにオペレーションがシンプルになり、オーダー間違いも減る。
これこそ、ビジネス面での、青葉の優れたポイントのひとつだと思います。

わたしも青葉では特製を注文しますが、基本的にそれはノーサンキュー。
「中村屋」の「特・中村屋」にもさほど魅力を感じないし、
ここ「道頓堀」の「特製中華そば」も食べたことがない。
基本のメニューが存分に美味しいしい店なら、それで充分。
華美な装いは、却って魅力を欠く結果になりかねない。

だが、このままだと永遠に口にしない可能性もある。
そこで今回は初めて特製をオーダーしてみることに。


道頓堀
特製中華そば950円

やっぱり美味しい。そして豪勢だ。
ガッシリ食べ応えのあるチャーシューも、滑らかでしっかりしたワカメも、
しっとりした味玉もいい。
だが、こう言ってはなんだが、普通の中華そばが食べたくなった。

わたしにとって具が多いことは、必ずしも良い効果をもたらさない。
「出来るだけシンプルなものを味わいたい」のだ。
その方が、その場で満たされると同時に
「次に来るときへの助走」となり得るのだから。

こだわりの鳴門産ワカメだけは乗せてもいいかな。


食べているわたしの背後では、奥様と常連さんとお話中。
奥様が朗らかに言う、

「飲み倒しちゃって、今日はモノが二重に見える〜!」
「みんなの名刺が散乱しててさ〜〜おっかしかった〜」
「バスの中、最高だった!」
「でも店主はついてこれなかったみたいだけど、店主は!」

といった声が、断片的に聞こえてきます。

道頓堀の常連・どるふぃんさんのブログによれば、こういうことだったみたい。


もし成増に住んでいて、道頓堀が他の街に移転したり、
閉店してしまったりしたら、その寂しさは計り知れませんね。
そういう意味でも、ずっと続いて欲しいお店です。

汁  完 。ご馳走様。
次に来たら、醤油と麺を変えているという塩を食べてみたい。
…いや、それはもう少しあとかな。

posted by: 青木 健 | | 03:40 | comments(4) | trackbacks(0) |